【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】⑳
春はやってくるものなのです。
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中水 香理(なかみず かおり)
いつもと違う年末年始。
年賀状を書く暇がなかったのでLINEで、かならず一文入れてごあいさつ。
「新型コロナウィルス感染症が落ち着いたら、会いましょう。」
感染拡大が連日ニュースの内容で、心中穏やかではない日常。
感染予防の徹底とは言っても、目に見えない敵と戦うのは精神的にダメージが大きいように思います。ですが、防御が最大の攻撃だと(私は!)考えています。
「備えあれば患いなし」「転ばぬ先の杖」って感じですね。寒さに負けず、春を待とうではないですか。
「春」、去年は花見に行けなかったなあ。
ああ、春が来ちゃうよ。〇今年は今年のやりかたがある。
11月ごろから相談件数が増える話題「高校受験」
どんな状況でも待ったなし。「どんな高校にいけばいいのですか?」
以前にも書いていますが、早い段階で学校見学やオープンキャンパスに行くことをお勧めしています。
それ以上に、受験を行う本人が行きたい学校なのかが重要です。今年は学校見学も人数制限(密を避ける)する高校も多く、予約をネットでしなければならないという話も聞きました。
受け入れる高校側も苦慮されているように感じます。
マスク、検温は必須、YouTubeなどで学校説明をする学校もありました。経済的な部分で公立か、私立かで悩まれている方も少なからずいらっしゃると思います。
試験の内容自体も前年と大きく変わっています。
緊急事態宣言などのために2月後半から5月後半まで学校が休校状態だったこともあり、試験範囲(各地域で違いがあります)は例年よりも狭くなっているとは言われています。
面接が受験科目にある場合、集団から個別に変更される場合もあるそうです。受験校の状況を早めに知っておいてほしいと思います。
新型コロナウィルス感染症が落ち着くまで、来年度もあまり変わらないと思われます。中学校の先生と納得いくまで話せるといいですが、時間も限られています。
何度も言いますが、高校に行くのは誰なのか。
「高校に行きたい」とのぞむのかが重要になります。「将来を考える。」
とても難しいことです。心配で、あれやこれやと言ってしまうことはしかたないと思います。
「希望」を「現実」と混在してしまうと適切な「判断」ができなくなることがあります。
第3者を交えて、考えてほしいと思います。〇なんで「高校」に行くの?
いろいろな人に聞くと、学生時代の中で意外に「高校時代が良かった」と答える人が多いと感じています。
私事ですが、息子に「なんで高校へ行かんといかんの?」と聞かれたことがありました。
「じゃあ、なんで高校に行きたくないのかを教えてよ。」
そう切り返して、「高校は行くわ」と怒られたことがありました。人に教えてもらえるチャンスは少ないからこそ、学び舎へ通うことができる特権が「進学」だと思います。
「進学」のために立ち塞がる壁が「受験」です。しかし!
合格できたからと言って安心はできないのです。高校では「単位」を取得しなければいけません。
全日制高校では、それぞれ教科・科目によって修得できる単位が設定されています。
各高校の専攻にもよりますが、「高等学校学習指導要領」の定めた履修科目(必須科目)の単位を3年間で取得するものです。
科目ごとに学習量が設定されていて、それを単位として修得するものになります。学習量を量る方法として、定期テストなどで理解度の確認が行われます。
その基準が赤点(学校によって異なる場合があります)を取らない、及第点を取れば大丈夫ということになります。各学年で設定されている履修科目の学習量を満たしていることを示す定期テストなどで、及第点を取れなければ再履修となり、単位の修得ができていないと判断されると落第となります。
「義務教育」ではないのです。
たくさんの人たちが、高校進学をするようになったので「行くのが当たり前」になってしまったように思います。目的を「高校入学」にしていませんか?
社会に出たときに、少しでも困りごとが減るようにすること。
高校に入学しても卒業できなければ、苦労も水の泡になってしまいます。分かっていても、なかなか納得できない部分も多いと思います。
今だけではなく、もう一度「なぜ」「どうして」と「高校受験」を見つめ直してほしいです。〇選択肢としての高校
「高校卒業資格」
これを目指して高校に入学したいと考える人も多いと思います。先ほども言ったように、定期テストで基準となる点数以上取れなければ、赤点。
1年間で補習、再テストで点数を取得できなければ、落第。
全日制の高校は、中学と違い「単位修得数」をクリアしないと卒業できません。高校には「支援級」「通級」のシステムがないところがほとんどです。
補習を行ってくれるところは、結構あるようです。
全日制の高校だけが高校ではありません。
通信制高校や夜間高校、専修学校の通信課程で高校卒業資格を得ることができます。全日制高校では各学年で修得単位数が設定されていますが、通信高校では3年間で最低取得単位数を習得できれば、卒業できます。
最近では、通信高校と就労支援センターが一体化しているところもあり、発達障がいの子どもの支援を積極的に行っている例もあります。
〇「社会に出る」ということ
大阪のことで申しわけありません。
少子化などの理由で高校の統合が、急速に行われています。
高校の数が減るだけではなく、質も変化しています。「エンパワメント」
この意味をご存じですか?英語の意味としては「権限委譲」とか「能力開花」などがあります。
大阪では「エンパワメントスクール」を公立高校の数校に開設しています。英語・数学・英語の習熟度別授業をはじめ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなども配置されています。
中学で習熟できていない部分の学び直しや将来の不安などにも対応してくれる高校。社会に出ることを想定して、力を開花できるように導くシステムができている学校は魅力的だと思います。
その子にあう環境を
無理しないで楽しめる日常を支援学校の高等部でもさまざまな取り組みが行われています。
就労支援を受けるための訓練が、特性に応じて行ってくれています。一般就職につながる例もあると聞きます。
教科を学ぶことよりも、手に職を早めにつけてあげることも選択のひとつだと思います。社会に出るための「エンパワメント」
経験の積みかたに違いがあるのは当たり前です。
感じかたや考えかたも個人差があるもの。エンパワメントには、自信をつけるという意味もあるそうです。
いろんな選択肢の中で「自己肯定感」が高まってくれることを願っています。
寒い日が続きますが、感染予防の徹底をしながら、日常を楽しめたらいいですね。
お身体、ご自愛ください。
中水 香理(なかみず かおり)
活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)
ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)
「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。
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