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2023.05.25

『自閉症を語りなおす:当事者・支援者・研究者の対話』出版のお知らせ

  • このたび「自閉症を語りなおす:当事者・支援者・研究者の対話」が出版されました。
    当研究所の大内雅登(非常勤研究員)・山本登志哉(所長)・渡辺忠温(主席研究員)が編著者となっています。

    本書は、自閉症者を「劣った定型発達者」として理解せず、「定型とは異なる特性をもって主体的に生きる人」と考える視点から理解し、自閉当事者の視点からも問題を見直すこと、そして障がいという問題に向き合う自閉と定型の両当事者の対話から、これからの支援の在り方を「異なる特性を持つ定型と自閉が相互理解に基づいて対話的に関係調整をしていくこと」として捉えなおすために、発達障がいやコミュニケーションなどの領域で先端的な研究・実践を行う8人の研究者や当事者・支援者が論じ合う本です。

    ぜひご一読ください。以下のURLなどからもお買い求めいただけます。

    新曜社:https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b625884.html
    Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4788518155
    紀伊国屋書店:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784788518155

    「自閉症を語りなおす:当事者・支援者・研究者の対話」
    大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温(編著)

    出版年月日:2023年5月20日
    出版社:新曜社
    ISBN:9784788518155
    ページ数:320ページ
    定価:2,860円(本体2,600円+税)

    <目次>

    序章 当事者視点を踏まえた自閉症理解と支援にむけて――この本で考えたいこと  山本登志哉
     1 大内さんとの出会い
     2 能動的な主体として子どもを見ること
     3 障がいを柔軟に見る視点
     4 お互いの関係調整としての支援
     5 支援者間の相互支援の大切さ
     6 「素人的総合性」を大切にする支援
     7 当事者視点から生まれる支援の形
     8 大内さんからの問題提起
     9 当事者視点に近づく実践=逆SST
     10 共生を目指す支援理論の模索
     11 コミュニケーション障がい?
     12 定型と自閉のズレとしての障がい
     13 自閉の問題が研究者に問いかけるもの
     14 自閉当事者が当事者本を語る
     15 大内さんの文章に施された調整について

    1章 お気楽と迷惑の間――当事者の体験  大内雅登 
     はじめに――母との思い出
     1 なんでそんなことに?――わからないことだらけの日常
     2 そんなつもりじゃないのに――伝わらないことだらけの日常
     3 これが大内ですが何か?――堂々と語る当事者の価値観

    2章 当事者と支援者の間――当事者による支援  大内雅登 
     はじめに――発達支援とは何か
     1 言葉の遅れが気になる子の支援
     2 まわりの人との関わりが苦手そうな子の支援
     3 話を聞くときなどでじっとしていられない子の支援
     4 勉強についていけない子の支援
     5 逆SSTって何だろう

    3章 当事者と周辺者の間――当事者からの発信  大内雅登 
     1 支援者の皆さんへ――誰がこの子の苦しみを聞いているんでしょうね
     2 学校の皆さんへ――この子自身とその親御様にご配慮を
     3 周辺の皆さんへ――不思議がるって面白い

    4章 語りが語りを生む共同生成  やまだようこ 
     1 当事者の体験を聴くということ
     2 自己もの語りとズレ
     3 語りが語りを生む共同生成

    コラム 当事者本を読む1  大内雅登 
    東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』角川文庫 2016

    5章 ようこそ! 新しい仲間たち――「コミュニケーション障害」はつながりの始まり  綾屋紗月
     はじめに
     1 「コミュニケーション障害」は人と人との間にある
     2 「コミュニケーション障害」の手前にある身体への着目
     3 「情報保障」という考え方
     4 多様な仲間たちとのわかちあい
     おわりに

    コラム 当事者本を読む2  大内雅登 
    ニキ・リンコ『俺ルール!――自閉は急に止まれない』花風社

    6章 相互理解と文化  高田 明 
     はじめに
     1 分かっていないことへの不安
     2 相互行為の人類学
     3 異文化としての障がい

    コラム 当事者本を読む3  大内雅登 
     ドナ・ウィリアムズ / 河野万里子訳『自閉症だったわたしへ』新潮文庫 2000 

    7章 定型発達スペクトラムが抱える「見えにくさ」を巡って
     ――期待と投げかけ  高木光太郎
     1 理解できるが気づけない
     2 「当たり前」のすり替え
     3 姿勢の場
     4 投げかけと応答

    コラム 当事者本を読む4  大内雅登 
    星野仁彦・さかもと未明『まさか発達障害だったなんて――「困った人」と呼ばれつづけて』PHP新書 2014 

    8章 対話者のディスコミュニケーションをどう考えるか
     ――「図地分節」の共有とそのずれ  浜田寿美男 
     1 語り手と読み手は同じ「図地分節」の下にあって理解し合うということ
     2 教育実習で「犠牲」になった女の子の話
     3 同じ「図地分節」を強いられて、虚偽の自白にはまり込む例
     4 「図地分節」を強いることと外すこと
     おわりに

    コラム 当事者本を読む5  大内雅登 
    柳家花緑『僕が手にいれた発達障害という止まり木』幻冬舎 2020 

    9章 座談
     ――コメントを受けて改めて当事者視点を踏まえた自閉症理解と支援を考える
       大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 
     1 やまだコメントについて――語りが語りを生む共同生成
     2 綾屋コメントについて――何かが届いた感覚
     3 高田コメントについて――微視的に丁寧に見ることの重要性
     4 高木コメントについて――「期待と対応」ではない「投げかけと応答」
     5 浜田コメントについて――違和感と受け入れがたさ
     6 結論の共有ではなく豊かな議論の場の共有を

    コラム 当事者本を読む6  大内雅登 
    沖田×華『ぐるぐる毎日やらかしてます。発達障害漫画家は楽しく生きている!?』ぶんか社 2019 

    おわりに――わたしたちが大内さんとともに越えていくべきもの  渡辺忠温 
     1 「当事者本」を越えて
     2 「語りかける人」大内さん
     3 「ガイド」としての大内さん
     4 「向こう側」へ行ってみる必要性と船頭・大内さん
     5 当事者の方の世界に定型発達者が跳び込むためのひとつの方法――逆SSTの提案
     6 跳び越えた先に見えてくる「困難」
     7 「理解」を越えて

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