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【親子の関わりのこれまでとこれから】⑤小学校生活と普段の成長について

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齊藤 博之(さいとう ひろゆき)

小学校一年生になり、まだできることは2歳~3歳程度の行動が主です。しかし、親を認識する、他人を意識するといった部分では成長が見られました。普段の何気ないことなのかもしれませんが、親としては「できたことの喜び」はとてもうれしく感じることです。

  • このころが私にとってもかなり苦しい時期でした。病気を患い、入院こそしなかったのですが、日常生活をしながら治療、と精神的にも辛い時期でした。このころの経験から身についた「とりあえずポジティブに考えよう」という考え方は現在でも生きています。

    さて、学校生活では娘らしさが段々と出てきた時期です。相変わらず、先が見えないことを行おうとするとスイッチが入るように癇癪を起しパニックになってしまうことも多々あり、それを上手に学校側が対応してくれること、また放デイでも上手に対応してくれ関わってくださる方々にとても感謝することが多くありました。その対応のしかたを親として学び、そのやり方で実際に関わることで、娘も「安心できる」ということが増えてきました。

    同時にいろいろな部分での「過敏」が見えてもきました。まずは音です。すべての部分ではありませんが、掃除機の音や機械が回る音が苦手、以前から兆候はありましたが、人が多い場所が苦手、手に汚れが少しでもつくと癇癪を起すなど段々と症状が出てきました。娘は言語やジェスチャーができないこともあり、こちら側が思考を汲み取ってあげないといけないことが多くありました。試行錯誤をしながら分かった部分もありますが、最初は何のことやらと考えながらでしたので、ときには妻と考えの相違や喧嘩をしながらたどり着いた思考もあります。実際に現在でもありますが、「こうだろう、そうするべきであろう」などで対応している部分が数多くあるものです。嫌なことを取り除くと落ち着いたりするのでそれが答えなのかな?という部分もあるのが実際です。

  • このような状況の中で某遊園地(ネズミがいる)に連れて行きました。入場ゲートをくぐるなり、泣きがひどくなります。当然ながら歩こうとしません。おんぶをしながらだと落ち着いたので、園内を散策しましたが、アトラクションに並ぶことは当然できませんので、事情を話し、特別ゲートからの入場で入らせていただきました(もちろん、手帳は提示しています)。


  • もともと、乗り物に乗ること自体は嫌いではないので、徐々に落ち着きながら園内を散策しましたが、一向に歩こうとしないので、しかたなく車いすをお借りした形です。それでも推し進めながら行こうとする「親の欲」もありましたが・・・。

    この状況をビデオに撮って娘自身に後日見せましたが、喜んで見ていますし、今でも見ている状態なくらい某遊園地はお気に入りです。ただし、この連載の別の回で書く予定ですが、現地は好きではないようです(苦笑)。

    この時期はいろいろと動物園であったり、ほかの遊園地であったりと活動の幅を広げながら可能な限り連れて行ったりもしましたが、1日その場にいるということは難しい状態が続きました。良くて半日、悪くて30分などもありましたが、そもそも、親が楽しむという部分を考えなければとくに問題なく過ごしています。これは現在でも同じで、遠くに行っても現地滞在は10分で帰ることなど日常です。半日でも居られれば長く滞在したという気分になったりするものです。自分のエゴは考えず、娘のことを考えることで、皆が嫌な思いにならにことが大事なのかなとも考えます。それでも出かけるということは止めません。いろいろと経験してもらいたいということ、日常的にいろいろな景色を見ることで学んでほしい部分などもありますが、家族として一緒にいる時間も大切だと考えています。最近では遠出がなかなかできませんが、今後も機会があれば出かけていきたいと考えています。

    運動会などの活動では徒競走など真っすぐに走れるのか、と親として心配しましたが、上手に走れたり、いろいろな出番ではそつなくこなすことができていたりと微増ながら成長する姿を見る喜びがありました。家では見られない、こうした成長は驚きと同時に楽しみでもあります。こうしたことが私自身のモチベーションになります。私自身できないと諦めるのではなく、「できるようになるためには?」をつねに考えようと決めたのもこのころだと記憶しています。

    次回は言葉が発せられない苦悩と祖父母との関わりを書きたいと思います。

  • (個人ベーシック閲覧期間:2021年3月13日まで)

  • 【執筆者紹介】齊藤博之(さいとうひろゆき)
    埼玉県、愛知県などで12年間老人介護(主に認知症)や障がい者との関わりを経て発達障がいの仕事に就いております。趣味は興味のある物の収集(現在はジーパンや靴)、性格は我慢強いが場合によっては短気な一面もあります。自分の子との関わりや今までの経験を踏まえた内容を連載していきます。

    (「齊藤 博之」執筆記事一覧)


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