【当事者が語る就労移行支援】④ AIスピーカーとIOT家電
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吉田 憲司(ヨシダ ケンジ)
頸髄損傷患者の間でもAIスピーカーとIOT家電は人気で
既に家中の家電を置き換えている人も増えてきた。
御多分に漏れず、我が家でも少しずつ、
安くできるところから導入を進めている。
人工呼吸器の加湿器にスマートタップを取り付けて
加湿具合が調整できるのはありがたい。スマートプラグはAIスピーカーと連携させると
音声認識でON/OFFとタイマー実行ができる。ACタップ側のスイッチでON/OFFで
使える昔ながらのつけっぱなしの家電が操作しやすい。傍から見て医療機器にこのような使い方はよろしくはないのだろうけど、
加湿が足りないと痰が肺の中で乾き、
へばりついて息苦しくなる。逆に加湿が多すぎると回路に結露が溜まって
気管に流れこんでくる。一番デリケートな部分だけに意識がある間は
自分でコントロールしたいところだ。セキュリティーや外部からの
不正アクセスといった問題は気にはなる。それでもちょっとしたこと。
例えば眼を拭いてもらったり、
リモコンを押してもらったりと
人間どうでもいいように思えるけど、
やらないと困る作業というものが本当に多い。最低限の用でも他者に頼むとなると
頼む方としても何かと気に使う。タイミングを見計らって声を掛けるのも煩わしい。
そのちょっとしたことを自分一人でできることは本当に素晴らしい。
初期導入時のコストと設定の煩わしさを
差し引いても代えがたい魅力がある。いずれは家中の家電に標準搭載され
当たり前のものになるのだろうけれど。そんなわけで体が動くのであれば、
もはやネタとしか思えない押す・引くだけのSwitchBot 指ロボットを
衝動買いしまうほどに指一本分の動作であれ、
動けない身からしてみたらたまらない欲求と願望がある。寝たきりでも決して動けないこと是としているわけじゃない。
世の中の技術革新が進み、製品やサービスが増え、
中には寝たきりにも使えるモノも出てきて、
できることが少しずつは増えては来ている。けれどもまるで足りていない。
ここは世の変化を待つほかはないけれど。
身の回りで自分でもできることは何か?
それを一つでも増やせないか?
そんなことを日長一日考えている。
*本記事は、吉田憲司さんのブログ(https://keckeisen.amebaownd.com/posts/51498145)からはつけんラボ向けに転載したものです。
【執筆者紹介】吉田 憲司(ヨシダ ケンジ)
大阪在住 頸髄損傷C4・5受傷 四肢麻痺 人工呼吸器常時使用
大阪頸髄損傷者連絡会所属
1977年生まれ
1993年、高校2年にクラブ活動中に受傷
趣味 読書 自作PC ガジェット好き
四肢麻痺、寝たきりでの ライフスタイルを模索。平成5年から重度障害者としてその時々多くの人の手を借り、知恵を拝借し生きています。
医者の言葉を借りるなら「ALSに準ずるレベル。」の重度障害ですから首から下は全く動かず自力で呼吸もできません。
周りにかけた迷惑は数知れず、受けた恩は量り知れません。
今生での恩返しなどは到底無理ですので帳尻合わせは来世としても、今、できることはできうる範囲でもよいのでやっておこう。
そのようなことを考えながら日々を過ごしています。
とはいえ、食事や排せつなどの日常生活、呼吸のような生命維持まで他人様にお願いしての生活です。
そんな状況で何ができるか。障碍者としての生きていくことの意味、意義といったもの、少しでも納得の答えが得られれば…。
なかなかにキツイ生き方ですがそれほど悪くはなかったといえるようになれれば、そう願っています。吉田憲司さんのブログ⇒https://keckeisen.amebaownd.com/
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