【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】⑪知ること。知らないこと。これはなにかな?(高橋先生のコメントつき)
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中水 香理(なかみず かおり)
気持ちが焦る季節になってきました。
インフルエンザ・・・めっちゃ流行ってますね。
今年は2か月も流行時期が早いそうです。
マスクしないといけない季節が来ちゃいました。
耳が痛くなるから、マスクが苦手です。
ヨーグルトが予防にいいと聞いたので、なるべく食べるようにしています。
うがい薬も準備しないと・・・あとは・・・何が必要かなぁ
所属している教室に、「来年の春」という言葉が聞かれるようになりました。
小学校への入学。以前にも書かせていただいたように、「数字」や「文字」を理解させたいという問い合わせや相談が徐々に増える時期でもあります。
「入学前」がいいのか、「入学後」がいいのか・・・
療育を始める時期、考えかたはさまざまなので何とも言えません。言えるとすれば、
「落ち着いて過ごせる場所」がひとつでも多いほうがいいということです。どうしても「普通」を目指したいと考えてしまう・・・
何ができる?
どうしたらできる?小学校に入学する覚悟みたいな感じで相談される方も多いです。
小学校に入るまでに理解してほしい・・・その願いの多い「文字」。●「ことば」の導入
保育園や幼稚園で、平均的に3歳児クラスで「識字トレーニング」を導入して、意識できるように指導されているところが多いと感じています。まず、文字を「音」として認識させる、ということのようです。
フラッシュカードなどで果物や乗り物、動物などを見せて、「これは何?」と質問形式で物の確認を行っていきます。
低年齢の子ども向けには、対象物の絵のみ、視覚で確実に確認ができるようなものを用意されています。
絵を見て、「何なのか?」を答えさせます。
集団授業なので斉唱させることで、分からない子も雰囲気の中で音の理解を促していきます。
ちょっとだけ考えてみてください。
対象物の把握、認識、「みんな」で唱和することなど。発達障がいのある子の場合、何をしているかが分からない場合があります。
確実に興味のあるものを「目(視覚)」でとらえることができるか。
「ことば」としての認識を「耳(聴覚)」から受け入れることができるか。
感覚過敏や多動の状態を理解して指導しているかも、考えなくてはいけません。子どもの特性を把握することが優先されると思います。
文字を音として「理解」できるか?ということよりも、「興味が持てるか?」です。
●ことば:「文字と音」
はつけんラボの中に「はつけん大学校」があります。
ご存知ですか?その中に紹介したい人物がいます。
高橋登先生(大阪教育大学教授)です。
研修会でお話を聞いたことがあります。識字にとって大切なことがら。
「音韻意識」文字と音の対応関係についてお話しいただきました。
(ぜひ、はつけんラボの高橋先生の動画を確認してみてください。)高橋先生のお話から、具体的に支援で行っているものを紹介します。
・用意するもの
絵カード(どうぶつ、食べ物、のりもの、キャラクターなど)
おはじき、ねんど、クッションボールなど
カードやおはじきなどを置くシート(いくつか〇を書いておきます。)
・使いかた
シートに絵カードをセットします。
「これは、何かな?」
「ばなな」
「バ・ナ・ナ」と言いながら、おはじきやねんど、シールなどを〇においていきます。
「これは、バ・ナ・ナだね」と言って、「バナナ」のときに指差しします。
「ばなな」と言わせながら、おはじきやねんどを触らせます。
こんな感じで「文字と音」を連動、連想させていきます。
「目:視覚」から入ってきた情報を「耳:聴覚」で聞き取り、「手:触覚」で確認をさせます。支援を行うときの状況や子どものコンディションに合わせて、「聴覚」「触覚」へのアプローチを変えています。
「音」として意識させる場合、「文字の数」だけタンバリンやカスタネット、たいこなどをたたく場合もあります。
1回や2回で理解できるものではありません。
いろんなカードを使って、興味のあるものを利用します。何度も何度も・・・
「興味」「関心」が、意識に変わるまで「無理やり」やらないこと!です。学術的なことは、高橋先生の内容を確認してください。
●「音」から「かたち」、「かたち」から「文字」へ
絵カードのものが、何なのか?
「音」を「かたち」にすることで、何となく絵カードに描かれているものが何かを意識していきます。音の「ひとつ」が何なのか?
音遊びの感覚から「文字」へ変化させていきます。あくまで遊びを意識させます。
音をかたちとして置いておいたおはじきなどのしるしを「文字カード」に変えていきます。
文字としてというより、「マーク」というか・・・「記号」というか・・・
カード遊びの延長みたいな感じで変化させます。始めは、違う文字をおいても構わないと思います。
しるしの数だけ、文字カードが置ければいいと思っています。何度もやっていくうちに、牛の「う」のかたちが意識できるようになればいいと思います。
文字カードについても、工夫をします。
カラフルなものや大きさを変えたりします。
たくさんの文字数のあるものよりも、3~5文字くらいの音から始めるほうが入りやすいと思います。
文字のかたちも重要です。
見た目で文字を判断しやすいので、似た文字ほどカードに工夫をします。
「れ」「ね」のように似た文字。
「や」「か」のように書きかたが似ている文字。平面だけでなく、立体のものを使って違いを確認させます。
文字だけでなくできるだけ、判別しやすい文字の絵カードを選ぶこと。
これが結構・・・大変な作業です。見て、聞いて、さわって・・・確認をしていきます。
理解の仕かたは、千差万別!何がきっかけになるのか、ぜんぜん分かりません。
だから、いろんな方法を試していきます。絶対的な信頼関係と楽しめるかです。
できたら、めちゃくちゃほめる❤
成功体験は、絶大な自信へとつながっていきます。今回紹介したのは、ひとつの例です。
文字を知る方法は、たくさんあると思います。
何があっているのか?
どうやってみるべきなのか?単純に試すだけではなく、様子を観察しながら楽しめたら、続けていくことが大切だと思います。
でも・・・
小学校は、文字が分かるだけでは・・・ですよね。文字を理解できるのなら、書けないと
「どうやれば、書けるようになるのか」年末の忙しい時期になってきました。
新しい年が近づき、春がくるまでに・・・というリクエストが多い「文字」次回は「書く」についてです。
冬の準備!風邪の予防!
今日も「うがい」と「手洗い」です。そろそろ支援の時間だ。
期末テストの範囲を確認しないと。
では、予習始めます。
<高橋登先生(発達支援研究所客員研究員)から記事へのコメント>
幼児期の子ども達は遊びを通じて多くのことを学んで行きます。学校で勉強するというのとは異なる学びがそこにはあります。日本の子ども達は、多くが小学校入学前に平仮名が読めるようになりますが、遊びを通じてというのが基本です。中水さんの取り組みにもあるように、文字が読めるようになるためには音韻意識が必要です。音韻意識も遊びを通じて育っていきます。歌を歌う、手遊びをする、リズム遊びをする、絵本をたくさんいっしょに読む、しりとりやなぞなぞ、早口言葉、だじゃれを楽しむ等々、ことばが関わる遊びは沢山あります。そうした活動を通じて、音韻意識が育つだけでなく、子ども達のことばの世界は豊かなものになっていきます。
(個人ベーシック閲覧期間:2019年1月6日まで)
中水 香理(なかみず かおり)
活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)
ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)
「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。
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