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【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】㉑
できること、やりたいこと

この記事を読むには7分ほどのお時間がかかります

中水 香理(なかみず かおり)

夜の23時ころ。
ひと息入れて、ソファーでYouTubeを見ながら、ぼーっとしていると・・・
おもむろに息子が、オンライン授業の動画を見ながらレポートを書き始めます。

「ああ、相変わらず大学へ行けてないの?」
「いや、半分くらいがオンラインで、学校は行けてるよ。」

  • 前期はまったく行けなかったのが、後期は週の半分程度行けるのがうれしいと教えてくれました。
    わが子ながら、団体スポーツを幼いときからしているのに人見知りするという意外性を備えているので、友だちができるか心配していましたが、キャンパスでお昼ご飯を食べてくれるという優しい人に出会えたそうです。

  • しかし、次年度の実習が分からないらしく、ちょっと不安らしいです。

    楽しく学ぶ方法って、ほんとに難しいですよね。
    新しい学年になって、先生もクラスメイトも変わって・・・
    ああ、春が来る(前回も同じように悩んだような・・・)


  • 〇だからしたくない
    年明け早々、医療関係のひっ迫した状況に「緊急事態宣言」が出ようと、「学校」は開校するようです。
    受験も日程どおりに実施されるとのことでした。

    しかし、感染リスクが低いからというわけではありません。
    現実として、各所でクラスターが起こっています。

    オンラインでの授業が実施され、時差登校なども行われていると聞きます。
    学校が遠く感じる事態が、まだまだ続きそうですね。

    学校へ行くというのは、「自己実現」のため。
    幸せな未来のために「勉強」を教えてもらうところへ出向くこと。

    むかーし、むかしあるところに・・・という逸話みたいに言われてきたこと。

    お母さんの子どもに対するお小言(こごと)の定番
    「勉強しなさい。」
    「宿題はできているの?」

    アニメの子どもキャラたちも、この言葉に翻弄されています。

    指示が「一方通行」になっています。
    言われた言葉を理解しているわけではないので、言うだけ損です。

    視覚優位の子どもの場合、音でしかないのです。

    言うことを聞かないのか、聞けないのか。
    「分からない。」
    ほとんどが、この答えになるのではないでしょうか。

    いつも言っていることなので、「またか」となっている方もいるかも知れないですね。

    一方通行にならないためにどうするのか。
    楽しく学んでほしいが、どうすればいいのか分からない。


  • 私が行っているのは、「勉強」とか「学習」という感覚ではなく、あくまで「支援」です。

    私の作成した教材を提示したいと思います。

    通所できない利用者にむけて「遠隔支援」も行っています。
    通所でも遠隔でも使っている教材になります。

    ただし!無理やりさせたり、怒ったりするのはダメですよ。
    一緒に楽しむことが大切です。
    これだけは守ってほしいです。

  • 〇みて、さがして、たのしむ
    5歳から10歳くらいの子ども向け、「反対語」の教材を使って、支援のすすめかたを紹介したいと思います。

    用意いただくのは、

    パソコン(PowerPointやExcelが使用できるもの)
    プリンター(カードを作成します)
    はさみ

    PowerPoint教材「おおきい・ちいさい 反対ことば」
    ・Excel確認シート「おおきい・ちいさい 反対ことば」
    ・Excel言葉カード「おおきい・ちいさい 反対ことば」

    3種類を使っていきます。(各素材の名前をクリックすると、PowerPoint・Excelファイルをダウンロードできます)

    何度も言います。
    あくまで「支援」です。
    構えないで、遊び感覚で行っていただけるとうれしいです。

    【ここでお願いです。】
    PCの画面とマウスだけを机に出すようにしてください。
    キーボードや本、筆記用具は隠しましょう。
    出来れば、周りにパーティションやカーテンなどで「目から入る情報」を遮断して、PC画面に集中できるような工夫をお願いしたいです。

    通常支援でも、壁や仕切りなどで情報を調整します。
    制限してあげて、注視しやすくしてあげましょう。

    ①みる
    PCでPowerPoint教材をみることから始めましょう。
    違いをアニメーションの動きから感じてもらいます。

    動きを面白がってくれると興味の前段階に入ってきます。
    「見たい」から「知りたい」へのチャンスを近づけやすくします。

    お気に入りのものが出てくると思います。
    繰り返し見せるだけでなく、共感してあげましょう。

    気に入ったのが、おおきい、ちいさいの場合
    ほかのおもちゃで、大きさ比べをしてあげてもいいです。

    ただし!PCを終わらせた後にしましょう。
    中途半端に始めてしまうと終わらせるときに、大騒ぎになってしまうことがあります。
    ひとつひとつ、「はじめ」と「おわり」を決めて行ってください。

    ②さがす
    (事前準備)
    Excel言葉カードをプリントアウトしてください。
    A4サイズの用紙、2枚になります。何セットか出しておいてください。

    反対語のカードになるように、切り分けてください。
    保護者さんが用意して頂けるとありがたいです。

    (PC準備)
    PC画面には、PowerPoint教材とExcel確認シートを出しておいてください。

    PowerPoint教材で確認をした後、Excel確認シートの題を表示させてください。
    目を隠すなどの指示を出してから、カードを机に出してください。

    触りたがると思います.
    破ったり、ぐちゃぐちゃにすると思います。
    なので、余分に印刷しておいてほしいのです。

    ある程度落ち着いたら、PC画面とカードを合わせていきます。
    絵合わせ遊びの状態からで構いません。
    文字は無視しても構いません。

    みて、さがして、さわって・・・

    おもちゃや家族との関わりの中で、反対語の応用を行ってください。
    お父さんは背が高い、○○ちゃんは背が低い。
    ○○ちゃんのジュースは冷たい、おばあちゃんのお茶は熱い。
    みたいな遊びを日常に入れていってほしいのです。

    このころになると「知りたい」の種から芽がでてくるかもしれません。

    〇つみ重ねること
    いろいろな工夫の中で、できることが広がっていきます。

    今回に関して、支援の一例でしかありません。
    紹介したもので対応できる場合とそうでない場合があることもご理解ください。

    いろんな困りごとをもっているので、ひとりひとり見てあげて考えてあげるのがいちばんだと思います。

  • 失敗することは、経験すること。
    何度失敗をしても、偶然できることがあります。
    できたときの経験は、絶対に残ります。
    だから、いっぱいほめてあげてほしいのです。

    一緒に共有してあげてほしいです。

    春になると環境がいっきに変化します。
    今年は、去年に引き続き新型コロナ感染症でいつもと違うルールの中で迎えることになりそうですね。


  • その中で「笑顔」をたくさん見ることができたらいいなと考えています。
    できることを増やせるような支援ができるといいなと日々格闘しています。

    今回の教材は、はつけん図書館の「手作り教材紹介・ダウンロード」コーナーに掲載いただいています。
    よかったら、使ってみてください。

    次の教材、なに作ろうかな。


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  • 中水 香理(なかみず かおり)

    活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)

    ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)

    「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。

    (「中水 香理」執筆記事一覧)


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