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【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】㉒
やりかたなのか、おぼえかたなのか

この記事を読むには7分ほどのお時間がかかります

中水 香理(なかみず かおり)

一日でいちばん、誰の干渉も受けない時間「お風呂」

  • たまに本を持ち込んで、小一時間出てこないこともあったりします。
    なので、家族で最後に入る特権(?)をいただいております。

    何も考えない時間は、ほんとうに癒しのときです。

    入っている入浴剤は「疲労回復」の文字が、か・な・ら・ず表記されているもの。
    こんなことも暗黙のルールになっています。

    そういえば・・・

    私の幼きころ、「お風呂から出る前に、湯船で10までかぞえなさいよ」と言われ続けていたような…
    これも家庭内ルールとして、多くの家庭で行われていたのではないでしょうか。


  • 「かず」をかぞえる。

    学生のときにアルバイトで、スイミングのコーチをしていました。
    準備体操のときも「いーち、にー、さーん、しーぃ、ごーぉ」と数えていました。

    待てよ?
    「1、2、3、4、5」じゃないな、「いーち、にー、さーん、しーぃ、ごーぉ」だよな。

    数字よりも言葉になっているような・・・難しいな。

    〇ほかの何かにみえてしまうのです
    指導をしていると気になることがあります。

    「へんなの、わかんない。」

    これは「数字」を見せるときに言われることがある言葉です。
    確定的なことは言えませんが、ちがうものが見えているのかも・・・

    発達障がいの中に「LD(学習障がい)」というものがあります。

    「読む」ことが苦手なタイプ
    「書く」ことが苦手なタイプ。
    「算数」のようなことが苦手なタイプ    と分類されています。

    いろいろなタイプがありますが、「数字」を苦手に感じているということは、「算数」という分野のさまざまなものに、苦手を感じてしまうようです。

    ・数字や記号の違いが分からなくなる。
    ・計算で繰り上がりや繰り下がり、数字の位置(位:くらい)や単位が分からない。
    ・数字の並び順が分からない、順番をとばしてしまう。
    ・文章題や図形は、苦手。


  • 数字だけでなく「読む」「書く」についても、関係している場合もあるようです。

    お風呂で数えたり、体操の号令だったりは、数字としての認識よりも、音として感じているかもしれないです。

    生活のなかには、さまざまなところに数字は存在します。
    だからこそ、理解してほしいと望む保護者の方も多いと思います。

    数字の存在を理解できても、算数や数学に発展していく過程であきらめてしまう場合もあると思います。

    くりかえし、くりかえし。

  • 何気ない日常をおくるための知恵。
    「知識」というよりも、できることを増やす「知恵」のために、くりかえす。

    今回は、「かず」のための教材を提案させていただきます。
    たのしみながら「くりかえし」ができるアイテムになってほしいです。

    前回からの約束です!
    無理やりさせたり、怒ったりするのはダメですよ。
    一緒に楽しむことが大切です。
    絶対に守ってほしいです。

    〇みて、さわって、うごかして
    この教材を使う場合、音でも構いません「かずのならび」が意識できていることが条件になります。

    幼稚園・保育園の年中くらいから小学校低学年向け、「かず」を使った遊び感覚の支援と考えてほしいです。

    用意いただくのは、
    パソコン(PowerPointやExcelが使用できるもの)
    ⇒ できれば、パソコンとマウスで行ってほしいです。
    プリンター(カードを作成します)
    はさみ

    PowerPoint教材「いくつある?」
    Excel確認教材「いくつある?」
    Excelカードシート「いくつある?」     

    3種類を使っていきます。(各素材の名前をクリックすると、PowerPoint・Excelファイルをダウンロードできます)

    勉強の道具ではなく、「支援」を円滑にするものです。
    「覚えさせる」ことよりも「楽しむ」ことを優先の道具です。

    前回とおなじことを書きます。
    【お願いです。】
    PCの画面とマウスだけを机に出すようにしてください。
    キーボードや本、筆記用具は隠しましょう。
    出来れば、周りにパーティションやカーテンなどで「目から入る情報」を遮断して、PC画面に集中できるような工夫をお願いしたいです。

    通常支援でも、壁や仕切りなどで情報を調整します。
    制限してあげて、注視しやすくしてあげましょう。

    ①みる
    PCでPowerPoint教材をみることから始めましょう。
    数字の仕組みをみるものです。
    けっして考えるものではありません。

    まずは、1から5
    次は、6から10
    そして、11からの順番になっています。

    折り紙を使って数の概念の入り口に行きましょう。
    前回も書いたように、「見たい」から「知りたい」へのチャンスを近づけやすくします。

    音と認識している数字のかたちや順番を意識してもらえたらと思います。
    PowerPoint教材で確認出来たら、Excel 教材に移ります。

    ②うごかす

  • Excelの確認教材は、
    問題(Q) ⇒ 考えかた(T) ⇒ 答え(A) の順に構成されています。

    考えかた(T)のシートには細工がしてあります。
    折り紙の四角にマウスのカーソルを合わせて、「左」クリックを押し続けながらマウスを動かします。
    数字のところに折り紙が動くようになっています。

    ちょっとした微細運動みたいなものになっています。


  • 【ここで注意】
    Excelを「上書き保存」しないでください。
    かならず終わったら、右上の「✖」を押して終了してください。

    次使うときに、せっかくの細工がすぐに使えない状態になってしまうからです。


  • ③やってみる。
    PowerPoint教材やExcel確認教材を実践します。
    Excelのカードをプリントアウトしてください。

    ・数字シート
    ・いろがみ(線にそって切っておいてください。)

    いろがみを数枚、机においておきます。
    数字シートで何枚あるかを確認していきます。

    見ていたものが、自分で体感できるというものです。

    まずは、5までの数から始めてください。
    次に、10までの数で行ってください。
    そして、11以降の数に順序立てて行ってください。

    いろがみと数字シートをおもちゃ感覚で楽しみながら、おこなってほしいです。

    〇こころの中のこと
    支援に通ってきてくれる場合も、オンラインで支援する場合でも言えることは、子どもの想いに寄り添えるかだと思います。

    支援の内容が学習に近くても、興味を持ち楽しくできると自分から「やりたい」と声を出してくれます。
    その時点で「知りたい」への道ができ始めています。

    その道は、舗装はされていません。
    簡単に水浸しになったり、落とし穴ができたりします。

    ちょっとしたきっかけで、できなくなったり、やる気がでたりします。
    本当に大したことがないと思っていたことで、大きく変わってしまうことがあります。

    どんな困りごとがあるんだろ。
    つねに考えながら、子どもたちと接しています。

    今回も教材は、はつけん図書館の「手作り教材紹介・ダウンロード」コーナーに掲載いただいています。
    よかったら、使ってみてください。

    どんなことしようかな。
    私自身も楽しみながら、支援出来たらいいな。
    さあ、やっていこう!


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  • 中水 香理(なかみず かおり)

    活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)

    ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)

    「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。

    (「中水 香理」執筆記事一覧)


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