【対話でひらく発達支援】読字障がいを考える③
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大内 雅登(おおうち まさと)
*本記事は、S&D発達支援情報メルマガNo.11(2024年11月14日発行)から転載されたものです。
これまで、「読めない」ということについて、「記号を音にする力」と、どこをひとかたまりにするかという「単語を見抜く力」についてご紹介しました。
文字、単語に続いては、文についてのお話です。
クツワ株式会社より「モジサシ定規」というものが発売されています。16㎝のプラスチック定規なのですが、真ん中に窓が付いていて、読みたい本にその定規を当てると、行を飛ばさないという優れものです。
こうした窓をリーディングマーカーと呼びます。
読みになれた人は、声に出している文字よりも先に視線を送り、どこまでがひとまとまりの言葉なのか、次に来る「は」を[ha]と読むか[wa]と読むかを考えます。
ところが、例えば指で押さえる必要があるお子さんは、そうした複雑な行為を重ねることができず、どこを読むかだけで手一杯ということになります。
リーディングマーカーとは、上下や左右の文を隠し、読みたい行だけを示すものとなります。
学校連携でお邪魔した特別支援学級で、厚紙で作っておられる先生にお会いしたことがあります。学年によって、教材によって異なる文字の大きさに合わせて、マーカーを作っておられました。何でもないスリットですが、一人ひとりに作られているお姿に感動したのを覚えています。眼球運動の苦手さなどが、読みに与える影響は大きいようです。
マーカーなどの道具で解決する方法もあれば、ビジョントレーニングという眼球運動に対する訓練も確立されています。縦に弱いのか、横に弱いのかなど運動の得意・不得意もきちんと勉強をされている支援者なら見抜いてくださいます。
支援は、いくつ仮説が立てられ、それらに対策を講じながら仮説の取捨選択をしていく作業だと思います。文字なのか、単語なのか、文なのか。色々な視点で「読みの苦手さ」を解き明かしていくことが必要だと言えます。
【執筆者紹介】大内 雅登(おおうち まさと)
LD専門家庭教師Study&Dialog講師/Care-Media Labo主任研究員/(一財)発達支援研究所客員研究員。自身の経験と、支援現場での実践の双方から、対話を基盤とした支援のあり方を探求している。支援を「わかることから」ではなく、「ともに在ること」から捉え直す実践と言葉の発信を続けている。
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