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【わたしの療育】わたしの考える療育とは(門田翔太)

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門田 翔太(もんでん しょうた)

この専門職に就き、よく療育とは何なのだろうかと考えることがあります。1年半この職業をしていても答えは出てきていないのではなく、なんとなくこんなものだろうと思うことはあっても、「正しいものか?これが正解なのか?」と考えることはよくあります。現在考えている療育というのは、子どもがこれから生きていく上でのつまづきや社会に出ていくつまずきに対応できる力や技術が身に付き、自分のいいところを存分(ぞんぶん)に活かすようにしていければいいなと思っています。

  • 今でこそ、発達障がいという言葉が出てきていますが、私自身が小学生のころには目立って紹介されたことも、情緒級のクラスもありませんでした。そこで、障がいと聞くだけで重くとらえてしまうことは多々ありました。大学に入り、とある縁で大学病院の小児科で検査をとることになりました。そこにはさまざまな子どもたちがやってきており、検査をとる前にしっかりと話をする子どもや勉強しに来たんだと意気込む子ども、聞かれたことを淡々と答えるだけの子どもと、本当に定型の発達と大差ないような子もいると思っていました。それこそ、初めて目にする子どもたちと経験のない自分では、そんな多少の違いに気が付けるわけでもなかったですが、回数を重ねるごとに、なんとなくの印象判断や所見からの想像をするようになってきました。

    「次回の子はADHDと書いてあるからじっと検査受けれるのかな?」、「人見知りが強すぎるって書いてあるけど検査室に入れるのかな?」など、その子その子で対応を考える。これは、今の療育をしていく上でよい経験になったと思います。こうした経験を積み重ねることや毎月勉強会にお邪魔させていくことで、自分の知識がどんどん増えていくのが分かってきました。そのおかげもあり、いろいろな視点を持つことで、その子の状態把握や印象評定などをしていったり、客観的にみる力をつけることで、より、その子に合った支援を模索していけたらと思い続けています。

    この1年半療育現場で働く中で、「療育とは?」の問いに答えられるかというと難しいところではあります。しかし、正解はないのが療育なのではないかとも思っています。今現在思う療育は、その子に合った社会での自立ができるような方法を習得してもらうための手助けをする場として考えていますが、それがどこまでできているのかもわかりません。いかに先を見据え、最終目標に向けどこまで小さな目標を立てクリアしていくのかを計画していくことは容易ではないかもしれませんが、その子一人ひとりにかならず合った方法はあると思っています。

    今現在担当している年小から高校二年生の子どもたちが、この場を巣立ち、この経験を得ることでよかったと思える、そんな「療育」が今後できればと思っています。

  • 【執筆者紹介】門田 翔太(もんでん しょうた)
    広島県の児童発達支援事業所及び放課後等デイサービスで働いている認定心理士です。
    2年間大学付属病院にて知能検査を実施しておりました。
    今後の療育をより良いものにできるように日々頑張っていきたいです。

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