【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】⑩選択。15の春にさくらの花(2)
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中水 香理(なかみず かおり)
「夢」って何なんでしょうか?
「大人になったら、何になる?」
小学校の時に娘に聞いたとき・・・ちょっと苦笑した答え。
「大人って、大変だから子どもでいいよ!」
間違いじゃない。大人は大変だ。
夢の意味を調べると・・・
いろいろなものがある中で「将来実現させたいと思っていることがら。」とありました。子どものなりたい職業ランキングを見ると
2018年度版
★小学生男子
1位 野球選手
2位 サッカー選手
3位 医師☆小学生女子
1位 パティシエ
2位 看護師
3位 医師ユーチューバーとか人気になった時期はありますが、安定的にスポーツ選手や「手に職型」といわれる職業が注目されていると思います。
一方、「何になりたいか・・・分からない。」と答える子どもも多いです。
中学で「職業体験」の授業を行ったりしているのも、現代的なのかなと考えさせられます。
夢を語れない子どもが増えていますが、昔も今も希望を探す方法を模索しているのは変わっていないと思います。
親も成長していく必要があることも忘れてはいけませんね。それでは、ぼちぼち始めましょか、前回の続きです!
〇高校の「卒業資格」は重要?
高校に入学するのはとても大変ですが、見据えて欲しいのは、その先の未来です。
「高校を卒業した後、どうするのか」です。「就職」ですか?
「進学」ですか?「高等学校卒業資格」がある。
とても重要になってきます。特別支援学校の高等部を卒業すると「特別支援学校高等部卒業資格」の取得になり、大学や専門学校への進学が可能ですが、学んできた内容が高校で学ぶ「学習内容」とは異なっていることが問題になります。
「教科単位」が足りない。
国語、数学、英語ほか、学習教科で取得する単位が少ないために、大学や専門学校への進学ができない場合があります。
特別支援学校に専攻科があると、高等部から進学することが多いです。
ただし、技能取得が目的にしていることが多く、あん摩や鍼灸などの資格取得を目指すことになると思います。「高等学校卒業程度認定試験」を受験・・・合格するのが、めちゃくちゃ難しいです。
「高等学校卒業程度認定試験」に合格しても、大学や専門学校を卒業しないと「中学卒業」扱いになります。
〇高校を卒業する方法は?
高校入試の話に戻ってしまいますが、高校にもいろいろな種類があります。
先ほども書きましたが「教科単位」が卒業するために必要になります。単位を取る方法が各高校で違い、いろいろあるのです。単位制高校、通信制高校、高等専修学校なども高等学校卒業資格はもらえます。
文部科学省の取り組みから「私立高等学校」が受け入れの可否を打ち出しているところもあります。
スクールカウンセラーを配置し、受け入れ後は通級対応なども行っている場合もあります。2020年の学校改革の打ち出しで、「公立」も通級対応している学校もあります。
NPOが学習支援に協力して進学を応援してくれるところも増えています。
卒業をするために、専門スタッフや管理システムが整ってきている高校も多くなっています。
注意して欲しい、分かっていて欲しいことがあります。
「高校は義務教育ではない」ということです。
教科などの単位や出席率など、足りなければ進級できません。
場合によっては退学を考えなければいけないということです。事前に、しっかりと調べることが大切です。
本当に通えるのか?集団に対応できるか?学ぶ力があるのか?
多くの課題が出てくるので、オープンキャンパスや学校説明会など、見学や相談を行ってください。〇「学ぶ」より「就職」を考える場合は?
生きていくために「働く」場所があるか。
「就職」ができるのか?です。特別支援学校高等部の知的障がいを持つ平成29年3月卒業者
進学率は0.4%(特別支援学校の専攻科は全国で9校あります。専門学校や大学などに進む方もいらっしゃいます。)
一般企業就職率は32.9%
社会福祉施設への入所・通所(就労支援)は61.5%特別支援学校を卒業して一般企業に就職できるのは、本当にわずかです。
就労支援の作業所などに登録をして、業務訓練を続ける人がほとんどでしょう。社会福祉施設の入所・通所についてですが、「働くため」の練習期間を取ることが目的である「就労支援」を行うことが多いです。
日常生活に支障がない(ある程度の生活が自立できる状態である)ので、企業で務めることを目指して2年の間、訓練を行っていくものになります。
通常就業できなくても、さまざまなパターンで訓練を受けることができるので、卒業後利用される方が多いのです。
18歳になる前に就労支援を行ってくれる事業所に登録される方もいらっしゃいます。特別支援学校高等部を卒業して企業就職率も年々良くなっています。
約10年間で10%近く上がってきています。とても重要な選択「受験」。
どのタイミングで選択肢を考えるか、何を選ぶか・・・
答えは出しにくい話題ですが、10年前と比べると選択肢が増えていることは確かです。
国の制度や法律も年々改善されてきています。
ネットなどで検索をすれば、ある程度分かることもありますが、しっかりと「人に聞く」、「現場を見る」「確信が持てるように動く」ことが大切だと思います。
私がやっている仕事は「教育」ではなく「療育」です。
「療育」とは、心身に障がいのある子ども(児童・生徒)が、「社会人」として自立できるように医療分野と教育分野がバランスよく成長に関わることだと思っています。「社会」に出るために行っていく選択肢は、難しく考えてしまうものになると思います。
今回書いている内容で悩みが深くなる方もいるかもしれません。
少しでも前を向くきっかけになってくれるといいな・・・と想っています。私たちのような仕事をしているものが、ちょっとだけ手助けできたらいいな・・・
いっぱい悩んでください。
いっぱい聞いて、調べて、多くの選択肢を作ってください。さくらの花は、顔を上げないと見ることができません。
2回にわたって、たくさん書いちゃいました。
あ!!そろそろ支援に行かないと!
中学生に方程式を教えないといけなかった!今から予習だ!今日は、これにて、おしまい!
(個人ベーシック閲覧期間:2019年12月15日まで)
中水 香理(なかみず かおり)
活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)
ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)
「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。
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