【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】⑬想像力は、そだてるもの?
この記事を読むには7分ほどのお時間がかかります
中水 香理(なかみず かおり)
新年ですね。
今年は、ねずみ年。
ねずみといえば、有名なキャラクターがいますね。
世界的に有名なねずみさん。
私にとって、ねずみのキャラクターといえば、イタチに立ち向かう勇敢な冒険ねずみたちを思い浮かべます。(世代というか、映画にもなったので・・・)
年間で小説漫画合わせて、50冊以上読んでいます。
小説は、映画やドラマ化されるものを息子と共有して読むことが多いです。幼いときから、本を読むのは嫌いではなかったことや図書室のにおいが落ち着くので、テスト前勉強は図書室でやっていることが多かったです。
大学時代、資料を探しに図書館に行くと、開館から閉館まで居座ってボーっと過ごすだけのときもありました。
娘の妊娠中に「胎教教室」で助産師さんに「お腹の子どもに聞かせるように、音楽や絵本の読み聞かせをするのもいいですよ。」と言われました。
なんとなく始めた胎教のために絵本を集め始めたのがきっかけで、いろんな話を就寝前のわが子にするようになって・・・娘は青い鳥文庫のとりこになり、息子は少年漫画好きのオタク化が進んでいるように思います。
私のいる教室では絵本の読み聞かせや紙芝居、ペープサート(紙人形劇およびそこで使われる紙人形)を使ったりと工夫をして、支援に取り入れています。
高橋登先生も推奨されている「絵本の読み聞かせ」
文字の習得にも関連しているので、今回はこれについて書いていきます。
●読み聞かせは難しい?
読み聞かせには、さまざまな効果があると言われています。私のいる支援の教室では、小学3年生以下の子どもにはかならず絵本の読み聞かせを取り入れています。
季節やイベントごとに合わせた絵本を図書館から月に1~2回、7冊~10冊借りてきます。
読み聞かせのコツみたいなものは、「絵本」よりも「子ども」優先。
絵と文字を見ながら、とてもゆっくりとすすめていきます。次のページに勝手にすすめようとしたり、まったく違うことを言い出したりすると思いますが、脱線しながらでいいと思います。
「無理かな?」と思ったら、そこで中断してもいいと思います。子どもの反応を見逃さないでください。
絵を触ったり、ジッと見入ったり、質問をしてきたりします。質問に答えるだけでなく、逆質問してみたり、興味をどこまで高めてあげることができるかです。
まったく興味を示さない子もいますが、「この絵、何かに似ていない?」と聞くと、何となく答えてくれます。
「そうなの?○○に見えるけどなぁ~」などとやり取りをして、絵を見ようとする行為に意味があるのです。●「見る」 視覚(ビジョントレーニング)のチカラ
「絵を見る」という行動は、「集中させること」につながってきます。見ることが不得意な子どもが多く、学習や運動に影響することは何度となく紹介しています。
とくに未就学児から小学校低学年の場合、「落ち着きがない」「違う方向ばかり見ている」など、視覚に問題があるからとは考えない人が大多数だと思います。
障がいが無くても、「目の使いかた」が下手な子どもへの勘違いから怒ってしまうことってないですか?見るチカラをつけるための絵本。
子どもの好きなキャラクターの探し絵などは最高ですね。迷路のようになっているもの、色彩が重視されているもの、細工が施されているもの。
目だけでなく、指や手、感覚を使って楽しめるものもあります。
ペープサートを使って、キャラクターを動かしたり、場面展開させるのも目のトレーニングになり、わくわくさせるなど感情にも作用することもあります。
重要な支援の時間になる「絵本」
支援時間の5~10分、とてもいいコミュニケーションタイムになっています。
●支援と絵本の関係
絵本の内容のままに支援を行うこともあります。「のりもの」の絵本の後、作業車や緊急車両のマッチングカードを行うことがあります。
「しょくぶつ」や「どうぶつ」の絵本の後、花のおり紙やどうぶつの工作を行ったりします。
「食べもの」の絵本の後、クッキング(料理の疑似体験)なども行っていきます。意識、興味を持つ、持たないに関わらず、連動して行うことで何かしらの変化を見ることができます。
文字への興味も、絵を見ることから始まることも多いです。
絵を見るように「これは何?」と文字に指差しをしてくる子もいます。変化を見逃さない。
毎回、書いていますが「変化」を絶対に見逃さないでください。のりものやどうぶつの絵本に興味を持ちだし、連動する支援にも取り組めるようになったとき、選ぶ「絵本」があります。
「ひと」を題材にした絵本です。
家族、ともだちなどのお話を取り入れて、反応を見ていきます。
ひとの「気持ち」が、絵本から語りかけていきます。
絵本が終わった後、表情の読み取りや心のうごきについて支援を行っていきます。絵本の読み聞かせは、「SST(ソーシャルスキル・トレーニング)」につながっていきます。
●社会の中で
SST(ソーシャルスキル・トレーニング)とは、「社会生活技能訓練」「生活技能訓練」と書かれている著書が多くあります。
子どもの場合、社会との関わりを感じる基礎、社会で生きていくために対応するスキルの取得を目指すもの。
社会生活をおこなっていく上で、対応をせまられる多くの困難を自分のチカラで対処していく能力をつけ、将来自立する(大人として独り立ちするとき)ことを目的としています。
日常生活での「困りごと」、音・光・におい・肌ざわりなどの五官(耳・目・鼻・皮膚・舌)に関することだったり、道具がうまく使えないとか、人との関わりかたに自信が無かったり・・・
何度も言いますが、「生活をしていく上で、できることをひとつでも増やしていく」ことが、支援の目的です。
絵本の中で、生きていくことに必要な知識を知り、人との関わりを疑似体験していくことがSSTの足掛かりになっています。
コミュニケーションの取りかた。
「想像することができるか?」が重要だと思います。「感情の移り変わり」よりも「自我を優先」してしまう子どもに「想像する」というミッションを何気なく伝えることができるツールが絵本です。
何度も何度も・・・題材を変えたり、アプローチの仕かたを多様化したり・・・
どんなことに反応して、興味を示すのか。「共有できる」ことは何か、絵本をとおして見つけていく。
新年一発目のひとりごと。
こんな感じで続けたいな・・・続けるネタはまだあるかな?書きたいことは、たくさんあるけど。
知りたいこともたくさんありすぎて・・・一日がみじかい!今日は工作の試作品を作らないと。
寒い日が続きますが、ご自愛くださいませ。
中水 香理(なかみず かおり)
活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)
ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)
「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。
投稿はありません