【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】<番外編④>
「もう!」って言っちゃうから、なにかしてみよう。
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中水 香理(なかみず かおり)
「まだ、この状況が続くのですか?」
本当に、そう思いますね。
保護者さんとの雑談で出てくる代表的な最近の話題。
「いつまで?」
「どうなれば?」
緊急事態宣言が延長されましたし、ストレス満開状態。
みんな、不安の中でもがいています。
大人でもストレスが高まっているのだから、子どもは・・・
じっとなんか無理、むちゃくちゃしたくなる。ワァーワァー喚く声!ドタドタ踏み鳴らす足!
困った。前回の投稿終了後に、「リクエストはないですか?」と聞いたら、「動きたい!」という声が多くありました。
アイテムは「新聞紙」です。
簡単な工作も、みんなでやってみてください。手軽にできていいけど、ゴミが出るかも。
(ゴミの収集業者の方々、すいません。)
●輪投げの輪
(準備するもの)
・新聞紙 10枚程度
・セロテープ
(いろんな色のビニールテープで飾りをしても面白いです。)
・ペットボトル 数本
・段ボール箱 1箱
(あまり硬い素材は切るときに危ないので注意してください。)
(工作タイム)
新聞を広げてななめ端から細めに巻いていきます。
細長い棒状になったものを輪になるように丸くして、はしっこをテープで止めます。
同じように10本の輪っかを作ります。
(輪っかにビニールテープなどで飾りをつけてみてください。)ペットボトルに絵を描いたり、数字をかいて得点などに使ってみてください。
段ボールでまとを作りましょう。大きさや形を工夫してみましょう。●フライング・ニュースペーパー
(準備するもの)
・輪投げの輪 3~5本
(たくさん作っておいて何本か、これを作りましょう。)
・新聞紙 5枚程度
・セロテープ
(工作タイム)
輪投げの輪よりも2㎝くらい大きめに丸く新聞紙を切ります。
丸く切った新聞紙に1㎝の切れ目を10個ほど入れます。
切れ目を入れた新聞紙に輪をのせます。
輪に沿って新聞をセロテープで止めていき、出来上がりです。
◎「輪投げの輪」と「フライング・ニュースペーパー」の遊び方
「輪投げの輪」と「フライング・ニュースペーパー」を使って遊びます。
①段ボールのまと、ペットボトルを並べて、当てて得点を競います。
ペットボトルに輪投げができたら、5点
ペットボトルを倒してしまったら、1点
段ボールのまとに当てたら、3点
段ボールのまとを倒したら、5点などとルールを決めましょう。
ペットボトルや段ボールまでの距離がハンデになるように設定してみましょう。
②輪をくぐらせたり、倒す速さを競います。
ペットボトルゾーンでは、輪投げを3本成功させる。
段ボールゾーンでは、フライング・ニュースペーパーで、まとに3個当てる。この場合もハンデは距離で考えて欲しいです。
教室でも「競争」という内容で支援を行うことがあります。
その際にぶち当たる問題が「ルール」です。
「できた」「勝った」は、達成感を生み「自己肯定感」を高める役割をしてくれます。なのですが、「勝ちたい」という気持ちが「勝つためには?」に変化して、「自分のため」の遊びになっていきます。
ルール無視。
ズルをしても勝ちたいと思ってしまいます。
何のためにやっているのか分からなくなります。だからこそ、いくつものパターンでできる内容を変化させることができる「遊び・ゲーム」が大切になるのです。
今回は「動く」ことがメインテーマです。ズルを公認するわけではないですが、ほかの参加者と差異が少なくなるように、設定・ハンデをつくることが大切です。
「惜しい」
この言葉が重要になると思います。おっと!話を戻して次、いってみよう。
●ながーいなが~い新聞紙
(準備するもの)
新聞紙 1枚
(大きく1枚です)簡単にできますが、結構面倒です。
1~2㎝の幅で端から新聞紙を長くちぎっていきます。
端まできたら、ちぎれないように逆から1~2㎝の幅でちぎっていきます。
これの繰り返し。新聞紙1枚をどれだけ長くちぎれるかです。
集中力と全身に力が入って、そこそこの運動量になります。
立っても座ってもできるので、高齢者向けトレーニングとして行われていることもあります。●新聞紙は何枚にできるか
(準備するもの)
新聞紙 1枚
(大きく1枚です)
ストップウォッチ or 時計これも単純です。
1枚の新聞紙を30秒間で何枚にすることができるかです。たかが30秒、されど30秒です。
ストレス発散になるので、秒数にとらわれずにやってもいいかもしれません。
ただし、大量のごみになってしまう・・・・・うっ?それならば、粉砕した新聞紙をまとめてみましょう。
●新聞ボール
(準備するもの)
粉砕した新聞紙
セロテープ、ガムテープ、ビニールテープなど
大人のこぶし大にまとめてセロテープでバラバラにならないように止めます。
カラーのビニールテープで色の違うボールをつくるのも楽しいです。ドッチボールのような大きなものも作れますが、その場合はガムテープで止めましょう。
ちょっとまって!
輪、ディスク、ボール・・・
いろんな投げかたができるおもちゃが勢ぞろいしました。ペットボトルや段ボールでいろいろなターゲットを作って、投げてみましょう。
「うちの子、投げるのが・・・」
輪やディスクは、なんとかなっても「ボール」を投げるのは、不得意です。
そういう声はよく聞きます。体操のようなことをしながら、投げる練習をしてみてはどうでしょうか?
◎ ストローク・チャレンジ
(準備運動)
・手⇒肘⇒肩(腕全体)の順にフリフリ振っていきます。
・糸巻の要領で腕を内側に曲げてクルクル回します。
(外巻き、内巻き両方します。)
・両手を組んで、手のひらを外向きに前へ腕を伸ばします。
・前に伸ばした手は、天井に向けて背伸びをしながら伸ばしていきます。
・腰の手を当てて、左右に腰をゆっくりねじっていきます。
・腕を軽く曲げた状態で、肩を軸に前後に回します。
・その場足ふみ(ドタバタ禁止)⇒その場駆け足(軽く)⇒その場ジャンプ(ふわっと)を無理ない程度に、15秒ずつ行います。
(小さな子は5秒ずつで3セットくらいが目安です。)部屋の中で行う場合は、前後左右の安全確認と激しく動かないことです。
あくまで準備体操です。
(ストローク・トレーニング)
・肘を曲げ、手は指先を軽くあわせます。
(軽く空気の球を握っているような感じです。)
・肩に2回軽くトントンと手でたたきます。
(ほんとうに軽くです。)
・2回肩をたたいたら、両手を前に伸ばします。
(「前にならえ」みたいな感じです。)
⇓
両手で始めていきます。
肩にトントンするときは、脇をしめた状態で行います。
腕を前に出すときも軽く出すように行ってください。
・脇を開き、腕を肩の高さに挙げてトントンを行います。
・胸を開き、胸より前に肘が出ないように気を付けましょう。
・前に腕を伸ばしたら、ゆっくり腕を下ろします。
⇓
筋力のある腕は、肘の位置が変わりません。
「右投げ・左投げ」は、この段階で判断できます。
無理やり逆手で投げさせると肩や肘を痛めるので注意しましょう。
・投げる手が決まったら、丸めたくつ下などを軽く握らせてください。
・トントンの動きは、脇を開き、腕を肩の高さにあげて行います。
・最初のトンは、カラダの側面(横)。
・次のトンは、肘は胸を開いて斜め後ろ(無理をしない程度)へ。肘は下げないこと。
・前に腕を伸ばすとき、軽く山なりに腕が動き出します。
・伸ばしながら、くつ下を放してください。
⇓
なんとなく、投げている状態になります。
徐々に「トントン」の動作を無くして、腕の回しを意識させます。
肩の動きに合わせて、腰の回しも意識できるようにします。
上半身の動きができたら、投げる腕を逆の足が前に出ると同時に動かします。
足を使った体重移動ができるようになると、ドッジボールなどの大きなボールもコントロールできるようになってきます。
今回は、長くなりました。
こんな時期ですが、「できないのではなく、できることを探す」の中で生活していけることを願っています。
この春に終了した朝のドラマで感銘を受けた台詞があります。
「不自由は、自由」不自由な今だからこそ、自由な発想が必要だと思います。
次の原稿は、何を書こうかな?
Special Thanks:my son
中水 香理(なかみず かおり)
活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)
ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)
「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。
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