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【今日は何をしようかな?(指導員のひとりごと)】<番外編④>
「もう!」って言っちゃうから、なにかしてみよう。

この記事を読むには9分ほどのお時間がかかります

中水 香理(なかみず かおり)

「まだ、この状況が続くのですか?」

本当に、そう思いますね。
保護者さんとの雑談で出てくる代表的な最近の話題。

「いつまで?」
「どうなれば?」

緊急事態宣言が延長されましたし、ストレス満開状態。
みんな、不安の中でもがいています。

  • 大人でもストレスが高まっているのだから、子どもは・・・
    じっとなんか無理、むちゃくちゃしたくなる。

    ワァーワァー喚く声!ドタドタ踏み鳴らす足!
    困った。

    前回の投稿終了後に、「リクエストはないですか?」と聞いたら、「動きたい!」という声が多くありました。

    アイテムは「新聞紙」です。
    簡単な工作も、みんなでやってみてください。

    手軽にできていいけど、ゴミが出るかも。
    (ゴミの収集業者の方々、すいません。)

  • ●輪投げの輪
    (準備するもの)
    ・新聞紙    10枚程度
    ・セロテープ  
    (いろんな色のビニールテープで飾りをしても面白いです。)
    ・ペットボトル 数本
    ・段ボール箱  1箱
    (あまり硬い素材は切るときに危ないので注意してください。) 


  • (工作タイム)
    新聞を広げてななめ端から細めに巻いていきます。


  • 細長い棒状になったものを輪になるように丸くして、はしっこをテープで止めます。
    同じように10本の輪っかを作ります。
    (輪っかにビニールテープなどで飾りをつけてみてください。)

    ペットボトルに絵を描いたり、数字をかいて得点などに使ってみてください。
    段ボールでまとを作りましょう。大きさや形を工夫してみましょう。

    ●フライング・ニュースペーパー
    (準備するもの)
    ・輪投げの輪   3~5本
    (たくさん作っておいて何本か、これを作りましょう。)
    ・新聞紙     5枚程度
    ・セロテープ

  • (工作タイム)
    輪投げの輪よりも2㎝くらい大きめに丸く新聞紙を切ります。
    丸く切った新聞紙に1㎝の切れ目を10個ほど入れます。
    切れ目を入れた新聞紙に輪をのせます。
    輪に沿って新聞をセロテープで止めていき、出来上がりです。



  • ◎「輪投げの輪」と「フライング・ニュースペーパー」の遊び方

    「輪投げの輪」と「フライング・ニュースペーパー」を使って遊びます。

  • ①段ボールのまと、ペットボトルを並べて、当てて得点を競います。

     ペットボトルに輪投げができたら、5点
     ペットボトルを倒してしまったら、1点
     段ボールのまとに当てたら、3点
     段ボールのまとを倒したら、5点 

    などとルールを決めましょう。

    ペットボトルや段ボールまでの距離がハンデになるように設定してみましょう。

    ②輪をくぐらせたり、倒す速さを競います。

    ペットボトルゾーンでは、輪投げを3本成功させる。
    段ボールゾーンでは、フライング・ニュースペーパーで、まとに3個当てる。

    この場合もハンデは距離で考えて欲しいです。

    教室でも「競争」という内容で支援を行うことがあります。
    その際にぶち当たる問題が「ルール」です。
    「できた」「勝った」は、達成感を生み「自己肯定感」を高める役割をしてくれます。

    なのですが、「勝ちたい」という気持ちが「勝つためには?」に変化して、「自分のため」の遊びになっていきます。

    ルール無視。

    ズルをしても勝ちたいと思ってしまいます。
    何のためにやっているのか分からなくなります。

    だからこそ、いくつものパターンでできる内容を変化させることができる「遊び・ゲーム」が大切になるのです。
    今回は「動く」ことがメインテーマです。

    ズルを公認するわけではないですが、ほかの参加者と差異が少なくなるように、設定・ハンデをつくることが大切です。

    「惜しい」
    この言葉が重要になると思います。

    おっと!話を戻して次、いってみよう。

    ●ながーいなが~い新聞紙
    (準備するもの)
    新聞紙 1枚
    (大きく1枚です)

    簡単にできますが、結構面倒です。
    1~2㎝の幅で端から新聞紙を長くちぎっていきます。
    端まできたら、ちぎれないように逆から1~2㎝の幅でちぎっていきます。
    これの繰り返し。

    新聞紙1枚をどれだけ長くちぎれるかです。

    集中力と全身に力が入って、そこそこの運動量になります。
    立っても座ってもできるので、高齢者向けトレーニングとして行われていることもあります。

    ●新聞紙は何枚にできるか
    (準備するもの)
    新聞紙 1枚
    (大きく1枚です)
    ストップウォッチ or 時計

    これも単純です。
    1枚の新聞紙を30秒間で何枚にすることができるかです。

    たかが30秒、されど30秒です。

    ストレス発散になるので、秒数にとらわれずにやってもいいかもしれません。
    ただし、大量のごみになってしまう・・・・・うっ?

    それならば、粉砕した新聞紙をまとめてみましょう。

    ●新聞ボール
    (準備するもの)
    粉砕した新聞紙
    セロテープ、ガムテープ、ビニールテープなど


  • 大人のこぶし大にまとめてセロテープでバラバラにならないように止めます。
    カラーのビニールテープで色の違うボールをつくるのも楽しいです。

    ドッチボールのような大きなものも作れますが、その場合はガムテープで止めましょう。

  • ちょっとまって!
    輪、ディスク、ボール・・・
    いろんな投げかたができるおもちゃが勢ぞろいしました。

    ペットボトルや段ボールでいろいろなターゲットを作って、投げてみましょう。

    「うちの子、投げるのが・・・」

    輪やディスクは、なんとかなっても「ボール」を投げるのは、不得意です。
    そういう声はよく聞きます。

    体操のようなことをしながら、投げる練習をしてみてはどうでしょうか?

    ◎ ストローク・チャレンジ
    (準備運動)
    ・手⇒肘⇒肩(腕全体)の順にフリフリ振っていきます。
    ・糸巻の要領で腕を内側に曲げてクルクル回します。
    (外巻き、内巻き両方します。)
    ・両手を組んで、手のひらを外向きに前へ腕を伸ばします。
    ・前に伸ばした手は、天井に向けて背伸びをしながら伸ばしていきます。
    ・腰の手を当てて、左右に腰をゆっくりねじっていきます。
    ・腕を軽く曲げた状態で、肩を軸に前後に回します。
    ・その場足ふみ(ドタバタ禁止)⇒その場駆け足(軽く)⇒その場ジャンプ(ふわっと)を無理ない程度に、15秒ずつ行います。
    (小さな子は5秒ずつで3セットくらいが目安です。)

    部屋の中で行う場合は、前後左右の安全確認と激しく動かないことです。
    あくまで準備体操です。

  • (ストローク・トレーニング)
    ・肘を曲げ、手は指先を軽くあわせます。
    (軽く空気の球を握っているような感じです。)
    ・肩に2回軽くトントンと手でたたきます。
    (ほんとうに軽くです。)


  • ・2回肩をたたいたら、両手を前に伸ばします。
    (「前にならえ」みたいな感じです。)


  • 両手で始めていきます。
    肩にトントンするときは、脇をしめた状態で行います。
    腕を前に出すときも軽く出すように行ってください。



  • ・脇を開き、腕を肩の高さに挙げてトントンを行います。
    ・胸を開き、胸より前に肘が出ないように気を付けましょう。
    ・前に腕を伸ばしたら、ゆっくり腕を下ろします。


  • 筋力のある腕は、肘の位置が変わりません。
    「右投げ・左投げ」は、この段階で判断できます。
    無理やり逆手で投げさせると肩や肘を痛めるので注意しましょう。



  • ・投げる手が決まったら、丸めたくつ下などを軽く握らせてください。
    ・トントンの動きは、脇を開き、腕を肩の高さにあげて行います。
    ・最初のトンは、カラダの側面(横)。
    ・次のトンは、肘は胸を開いて斜め後ろ(無理をしない程度)へ。肘は下げないこと。
    ・前に腕を伸ばすとき、軽く山なりに腕が動き出します。
    ・伸ばしながら、くつ下を放してください。



  • なんとなく、投げている状態になります。
    徐々に「トントン」の動作を無くして、腕の回しを意識させます。
    肩の動きに合わせて、腰の回しも意識できるようにします。

  • 上半身の動きができたら、投げる腕を逆の足が前に出ると同時に動かします。

    足を使った体重移動ができるようになると、ドッジボールなどの大きなボールもコントロールできるようになってきます。

    今回は、長くなりました。

    こんな時期ですが、「できないのではなく、できることを探す」の中で生活していけることを願っています。

    この春に終了した朝のドラマで感銘を受けた台詞があります。
    「不自由は、自由」

    不自由な今だからこそ、自由な発想が必要だと思います。

    次の原稿は、何を書こうかな?

    Special Thanks:my son

  • 中水 香理(なかみず かおり)

    活動地域:関西圏(大阪・京都・奈良・滋賀が中心)

    ひとことメッセージ:大阪府内にある児童発達支援事業所で指導員として働く、娘と息子、二人の子どもの母です。息子の大好きなSEKAI NO OWARIのFukaseくんとの出会いが発達障がいを学ぶきっかけになりました。(ミーハーですいません。)

    「脳と体と心」、勘違いされることの多いことだからこそ、考えていきたいです。

    (「中水 香理」執筆記事一覧)


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