はつけんカフェ

【当事者が語る発達障がい】当事者の視点から考える療育 ⑥
ゲームのススメ

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鈴木 領人(すずき りょうと)

香川県でゲーム規制条例という条例が可決されました。今後どのような形で発展していくのか未知数ではありますが、なんらかの形でいろいろな派生をしそうな気はしています。賛否があると思うので、賛成や批判は書かないように触れていきたいと思います。

  • 子どもと触れ合う職場では、少なからずゲームに関しての要望は来ると思います。とくによく聞くのは、「ゲームをやりすぎている」「ユーチューブばかり見ている」などです。

    前に知り合いの指導員からここに載せている記事について、「鈴木さんの主観も書いてほしい」との要望を受けました。できる限り主観は入れないように書いてはいたのですが、発達障がい者の考えかたということを考慮すると、たしかにそうかも!!と思えましたので、今回はいつもより主観の考えかたを多めに書かせていただきます。

    ゲームについてですが、私は子どものころ、といいますか、今でも行っています。まずゲームというものは、さまざまなジャンルがあります。知的なもので言えば、パズルゲーム。戦略的ロジックではRPG(ロームプレイニング)でマインクラフトもここのジャンルだと思います。とくに最近人気なのは、FPS(ファーストパーソンシューティング)と言って、スプラトゥーン(任天堂)やPUPG(インターネットゲーム)、フォートナイトが有名でユーチューブでもとくにたくさんの動画が上がっています。


  • まずゲームというものですが、楽しいと思う子どもは多いです。なぜゲームが楽しいと思えるかという理論ですが、さまざまな解釈があります。その中で私がとくに気になったのは、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」に踏まえて書かれているもので、目指す目標が高すぎても低すぎても達成動機が弱まってしまうという法則で、要は人によって適度な目標の高さは違うということです。ゲームというものはその人にあった適度なストレスが必要で、その目標達成によって達成感を得るという繰り返しに近いものがあると個人的に思っています。

  • ゲームをやっていない人からすると意外と思われるかもしれませんが、ゲームを行うということは少なからず努力することを強いられます。この努力ですが、難易度にもよりますが、最高難易度に関しては、知識の統合、個人的技術の習得などのさまざまな項目のスキル獲得が必要です。今まではそういったものは、個人で完結していましたが、最近流行のFPS系のゲームではほかのプレイヤーとの関りが必要となっているものが多く、チームワークなどのコミュニケーション力も必要なものになってきております。それこそ空気を読む力、ほかの人が必要なことやモノを与えたり、助けたり助けられたり等々。

    さて、ここで考えることは、ゲームは悪いものなのかということです。どうもゲームには、オタクっぽい、ひとりで引きこもっているなどのネガティブなイメージがあります。たしかに、部屋でひとりで行っていることが多いのでそのイメージは納得です。では、本を読むのが趣味だったとするとどうでしょうか?知識が増える、想像力がつくなどのポジティブなイメージでてくると思います。ですが、ゲームを行っている人と行動に関しては、違いはないと思います。

    塾で勉強を教えていますが、ゲームを行っている子どもと行っていない子どもを比較した場合、ゲームをやっている子どものほうがじつは勉強ができます。成績が悪かったとしても勉強をやりだすと一気に伸びます。それはゲームである程度の努力する耐性や理解力の基礎ができているからと思っています。

    ゲームに関して良いことをいろいろ話してきましたが、ゲームの悪いところはなんでしょう?

    たとえば目が悪くなるはそうかもしれませんが、勉強のやりすぎも同じですね。ひとりで籠っているというのもゲームのジャンルによっては解決できます。電気代は悪いところですね。じつは考えてみるとそんなに悪影響はないんです。悪いところがあるとするならば、途中でやめてしまうということかと思います。難易度が上がってくると段々と簡単に目標達成できなくなってきます。そのタイミングでそのゲームをやめてしまい、ほかのゲームに移行するというのは努力するということ、そのためにどうするかという思考力を養えないため、能力の向上へは向かえません。継続は力なりという言葉、それだと思います。

    香川県での条例ですが、ほかの国ではどんなことを行っているのでしょうか。韓国や中国では、未成年が深夜帯にオンラインゲームをすることを禁止する対策を行っています。未成年(未成年だけではありませんが)の深夜帯でのゲームプレイによって、学校や生活に支障がでてくるケースが少なくありません。深夜帯はインターネットゲームが活発になる時間帯です。日本でもそれは同じです。これはいちばん危惧されなければいけない問題で、生活に支障が出てくるレベルになると制限は必要になってくると思います。たとえば、ごはんを食べなくなる、つねに眠たいなどです。ちゃんと家族で集まる場所は必要で、睡眠時間はとても必要です。それ以外は、学校の勉強や宿題などがしっかりできていれば、とてもいい教材になるのではと思います。

    私はどんな些細なもの、たとえそれが他人から見たらどんなにくだらないものだとしても、それが好きで集中して継続してできることはそれがその子の才能だと思っています。あとはそれをどうほかのことや将来の職に活用できるかではないでしょうか。そのお手伝いが私たちの仕事だと思っています。


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  • 【執筆者紹介】鈴木 領人(すずき りょうと)
    精神障害者手帳3級所持(ADHD)
    経歴:児童指導員、地方公務員、プロ家庭教師、学習塾講師、学習塾教室長
    ひと言:児童指導員として、3年程働いておりました。現在は札幌にある学習塾の教室長として働いております。定型発達者と発達障がい者との橋渡し的な役割が出来ればと思い、療育現場で身につけたことや当事者としての目線を大切に日々の指導をしています

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