【対話でひらく発達支援】学習支援のあり方(総論)④
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大内 雅登(おおうち まさと)
*本記事は、S&D発達支援情報メルマガNo.4(2024年7月25日発行)から転載されたものです。
2024年6月13日付の中日新聞にて、岐阜県飛騨市の全小中学校に作業療法士の部屋が設けられることが報じられました。
作業療法士は、心と体のリハビリを専門にする方々です。
医療現場だけではなく、放課後等デイサービスなどでも活躍が期待され、近年その専門性への注目がされています。新聞記事には、グラフ問題が苦手なお子さんに対して、透明な三角定規を使うよう助言する姿が載せられていました。
以下は作業療法士である奥津光佳さんの働きかけに関する部分の引用です。この児童は目の動作が苦手で、手先が不器用なことに劣等感を抱いていた。
持っていた定規は目盛りが細かい上に色も付いていて、グラフ用紙に重ねると見えづらかった のだろうと奥津さんは見抜いた。
児童は透明なものに替えると「描けるようになった!」と喜び、笑顔で教室を後にした。この具体例には、多くの支援に通じる本質的な洞察があります。
そのひとつは、できないことを単純に「経験不足」としないところだと思います。経験の浅い支援者は、描けないという状況から、描く練習をさせようという思考になりがちです。
計算が苦手なら計算させるし、読めないなら読ませてしまうわけです。
これでは、成功体験がずっと遅れてしまい、ときにはお子さんの気持ちが折れてしまうかもしれませんね。学習支援とは、その苦手さを細かく分解し、原因の仮説をいくつも立て、その解決や軽減がたやすいものから試みていくものだと思います。
【執筆者紹介】大内 雅登(おおうち まさと)
LD専門家庭教師Study&Dialog講師/Care-Media Labo主任研究員/(一財)発達支援研究所客員研究員。自身の経験と、支援現場での実践の双方から、対話を基盤とした支援のあり方を探求している。支援を「わかることから」ではなく、「ともに在ること」から捉え直す実践と言葉の発信を続けている。
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