はつけんラボ(研究所)

所長ブログ

  • 所長ブログでは、発達障がいをできるだけ日常の体験に近いところからあまり専門用語を使わないで改めて考え直す、というスタンスで、いろんな角度から考えてみたいと思います。「障がいという条件を抱えて周囲の人々と共に生きる」とはどういうことか、その視点から見て「支援」とは何なのかをじっくり考えてみたいと思います。

2019.11.30

第一回障がい者雇用推進フォーラム

27日に、障がい者雇用支援センターの主催で「第一回障がい者雇用推進フォーラム」が開かれました。

同センターのセンター長の引地達也さん(シャローム大学校学長・当研究所客員研究員)に依頼されて、私も「なぜつながるのがむつかしいのか:ディスコミュニケーション論から考える」という基調講演をさせていただきました。

このフォーラムは、今全国で当事者にとっても企業にとっても大きな課題になっている「障がい者雇用」を推進するための「新しいコミュニティづくり」を目ざして開かれたもので、私のほか、障がい者雇用にこれまで積極的に取り組んでこられたIBコミュニケーションズ(養老乃瀧株式会社特例子会社)、いなげやウイング(スーパーマーケットチェーンのいなげやの特例子会社)、プロケアがその経験を発表され、また一般社団法人全国地域生活支援機構の方からは、企業が障がい者雇用を安心して推進するための保険システムや、障がい者自身がより柔軟に買い物などができるようにするための成年後見制度の活用などと言った新しい社会的システム作りへの取り組みを紹介されました。

これらの取り組みについては、私も実際に現地を見学させていただきたいと考えていますし、またそこで学んだことをこのはつけんラボでもご紹介させていただくことになると思います。

会場には障がい者の就労支援の事業所にかかわるみなさんや当事者の方たちに加え、大手企業の方たちも参加されていて、講演後にも何人かの方から声を掛けられました。

私の話は基本はシンプルなもので、発達障がい者へのこれからの支援は、定型の視点から「定型を目指させる」というスタンスではなく、当事者の視点の理解を進めて、お互いの長所を生かし、短所を補い合う仕組みづくりを、当事者と一緒に対話的に行っていかなければならない、というものです。

なぜそういう視点が重要かということについて、発達障がい者と定型発達者の間に頻繁に生ずる「ディスコミュニケーション」の仕組みを説明し、その軽減に必要な取り組みを考える、という形で、具体例を示しながらお話しするのですが、企業の方からも就労支援事業所の方からもとても納得できた、という感想を多くいただきました。

子どもの社会的発達の仕組み、そして異質なもの同士のディスコミュニケーションの問題を考え続けてきた私からすると、ごく素朴に自然な話なのですが、現状の発達障がい者支援の議論には意外なほど語られることの少ない視点でもあります。それだからでしょう、「教科書などでは学べない話だった」という感想もいくつかいただきました。

いずれにせよ、現場で頑張っている方たちから、「わかりやすくストンと胸に落ちた」といった感想を持っていただけたことで、これまでの模索が単なる空論ではなく、今後さらに深めていくべき大事な方向の一つであることに確信を持てることにもなりました。

今後、障がい者雇用支援センターと研究所の共催で、定期的に「障がいと仕事研究会」を開催していくことになっていて、第一回は3月7日の2時からの予定です。

詳細はこれから詰めていきますが、基本的には当事者・支援者・企業関係者・行政関係者・研究者など、関連するみなさんに参加していただき、職場で実際に問題になる具体的事例を議論する中で、いろんな方たちの知恵や経験を交流し、積み重ねていって、そこから新しい支援の方向と方法を生み出していく場になっていくと思います。

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