はつけんラボ(研究所)

所長ブログ

  • 所長ブログでは、発達障がいをできるだけ日常の体験に近いところからあまり専門用語を使わないで改めて考え直す、というスタンスで、いろんな角度から考えてみたいと思います。「障がいという条件を抱えて周囲の人々と共に生きる」とはどういうことか、その視点から見て「支援」とは何なのかをじっくり考えてみたいと思います。

2020.11.01

zoomでの事例検討が意外にいけること

遠隔がいろいろなところで使われて、その功罪が問題になりますが、対面と遠隔がどちらがいいかという単純な話ではなくて、対面のいいところは何で、遠隔のいいところはなにか、というそれぞれの特性を理解して使いこなすことが大事なんですよね。

それで、zoomで事例検討をやってきて、対面でやるよりいいのではないかと感じる部分があるので、少しそれについて書いてみたいと思います。(※)

 

① 距離感の違い

対面で多くの人が集まってやるとき、発表者とアドバイザー(私)はだいたい横に座ったり、斜めの位置だったり、距離的には近い時も1m程度は開いています。正面に向き合って一対一で話をする感覚はなく、たくさんの人たちの間にいる一人の発表者と話をしている感じです。

これに対してzoomでやると、画面にはたくさんの人たちが映っているわけですが、そのうち注目して話をするのは発表者の画面ひとつだけです。それで、集団の中で話している感じではなくて、個人的に向き合って話し合っている感覚になるんですね。他の人たちはその個人同士向き合った話を周囲から眺めている感じになる。

そうすると、発表者と私のやりとりが、対面で集団の中でやっている時に比べて、圧倒的に「親しく個人間で話をする」ようなイメージになり、かしこまることなく話しやすくなるんです(もっともそのあたりは多少私のパーソナリティーの問題もあるかも)。つまり、よりつっこんだやり取りになりやすくなります。

言ってみれば集団でやっていても個人間でやっているような感じがベースになる、ということでしょうか。集団でもないし、個人でもないというような、ちょっと面白い感覚で、かつとても有効なコミュニケーションという感じがします。

 

② いつでもだれでもつぶやける

付属のチャット機能を使うと、いつでも動画でのやりとりを邪魔することなく、好きなコメントを書き込むことができます。通常の検討会や研究会などでは、発表の途中で割り込んで質問したり意見を言ったりしにくいので、あとでまとめてと考えているうちに忘れてしまうこともおおいのですが、思いついたときに「発言」できるので、これは便利です。

チャットに書き込む時間を少しとって参加者に一斉に書き込んでもらうと、参加者全員の考えていることを交流できます。対面だとどうしても「発言力のある人」や「押し出しの強い人」に発言が偏り、考えていることがあっても発言を控える人が多いのですが、このやり方だとその点がだいぶ緩和されていろんな意見が出やすくなります。

そのコメントに対する応答も、それら全体を見て調整しながらバランスを考えて行うこともできる。いろんな意見を組み合わせて理解することも可能になり、対面での議論とはまた違った展開になります。

 

こんな風に書いてみると、ようするにzoomのような形での集団的な議論は、「個人間のコミュニケーション」と「集団を相手にしたコミュニケーション」のどちらとも違う、独特のコミュニケーションスタイル、独特のコミュニケーションの場を生み出していくものだということのように思えます。その特性を活かしながら使っていくと、また新しいことがいろいろできるようになるかもしれません。ちょっと楽しみです。

※ 別にzoomの回し者ではありません(笑)。zoom以外でも同じようなシステムなら同じでしょう。ステマではありませんのでご安心を。

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